「SPAM」の元ネタ、DVDで復刻

イギリスのかつての首相・チャーチルと婦人の会話。
「私があなたの妻だったら、あなたのワインに毒を入れることでしょう」
「私があなたの夫だったら、そのワインを飲み干すだろう」


 これはジョーク集の定番ネタなのだが、イギリス発のユーモアに関しては内容に事欠かない。そんなユーモア大国イギリスの最高傑作のひとつと言われているのが、イギリスで1970年代初めに放送された番組「Monty Python's Flying Circus」である。日本では「空飛ぶモンティ・パイソン」としてテレビ東京にて吹き替えで放送されていたのであるが、その全放送が収録されたDVDが発売されることとなった。

 かつてNHK・BSで放送されたバージョンを視聴したことがあるのだが、日本のNHKにあたる英国放送協会が制作したものであるにもかかわらず、ひたすら不条理な行動を繰り返すものから、特定の宗教をからかうブラックジョークまで、見るものを選ぶ内容と笑いに衝撃を受けたものだった。

 モンティ・パイソンが世界に及ぼした影響は多岐にわたり、やたらとランチョンミートの商品名を連呼して客を迷惑がらせるというコントから、無差別に送りつける迷惑メールのことを、その商品名から取って「スパム」と名付けられたという有名なエピソードや、コントの幕間に入るシュールなアニメーションは今でもさまざまなところでパロディを見ることができる。

 このDVDにはテレビ東京版の吹き替えがオリジナルのまま収録されており、往年のファンは歓迎する一方、権利の関係上一部カットされて箇所もあるため(英語字幕は完全収録)残念がってもいるが、やはり、コントに関してはおしなべて絶賛である。「これを笑えるかどうかであなたの知的レベルがわかる」ともいわれているモンティ・パイソン。一度おためしあれ。
2008/02/27