それって「クソフト」ですよね

 いわゆるメーカー製パソコンを購入すると、もれなくついてくる、別の会社から提供されたパソコンソフト。量販店で買ったら数千円もするようなソフトウェアがごろごろと入っていて、「パソコン購入代金のいくらがソフト代として上乗せされているのだろう」と考えてしまうこともあるのではないでしょうか。

 聞いてびっくり、なんとソフトウェアメーカーはパソコンメーカーに1本あたり30~100円で卸しているのです。そんなに安くて大丈夫なのかとお思いでしょうが、パソコン本体は十万台単位で販売されるので、1万本売ればそこそこヒットというパッケージソフト業界では、それなりに儲かるのです。ちなみに別格はMicrosoft Officeで、1本あたり1万円くらいで卸しているということ。TNKソフトウェアのオンラインソフトも格安で卸しますので、ソフトやハードにバンドルしたいというメーカーがあればご一報下さいな。


 このようにパソコンメーカーがソフトウェアメーカーに支払う形での、プリインストールはまだ納得いくのですが、問題は体験版や使い物にならないほどの機能制限版などといった、ソフトウェアメーカーがパソコンメーカーに料金を支払っているタイプのソフトウェアで、パソコンの動作を無駄に重くし、リカバリーディスクに元から含まれているため、OSインストール後にちまちまと削除しなくてはいけない――業界では、こういったハードディスクの脂肪分ともいえるプリインストールソフトウェアのことを「Crapware(ニュースソースのITMediaでは『ごみウェア』と表記されているが、もっと直訳すると『クソフト』)」と呼んでいます。

 昔は、通販サイトやプロバイダの入会を促すウィンドウを表示する程度だったのですが、おなじくITMedia内のニュースによると「Dell製PCに含まれるプリインストールソフトはスパイウェアではないか」という疑惑が報じらるほどのクソフトが仕込まれるようになったということです(そういったクソフトが嫌で、メーカー製パソコンから、OS以外のソフトウェアは一切付かないパソコンパーツショップのパソコンに切り替えたユーザーも結構いる)。

 ここまでくると「クソフトがある分安くパソコンを買える」と自分を言い聞かせるのはだいぶんつらくなってくるのではないでしょうか。一般のユーザーが「とにかくタダがいい」と、無料で配布する代わりに広告を掲示しないと開発費を回収できない今時の事情を作ってしまったことも考えると、なかなか難しい問題といえます。
2007/05/30