部品換装でClip Studio Tabmateを修理する

Repair Clip Studio Tabmate with replacement
グラフィックソフト「Clip Studio Paint」の操作に特化した片手デバイス「Clip Studio Tabmate」。10個以上のボタンを片手で操作できるので、Clip Studioに限らず、様々なマルチメディアツールで重宝します(他のアプリからはゲームコントローラーとしての認識なのでキーボード入力に変換するツールなどは必要)。一方で、長く使っているとホイールの挙動がおかしくなったり、チャタリングと呼ばれるボタンが連続して誤入力される現象が発生してきます。

大きな埃が金属板に挟まったのが原因によるホイールの誤動作では、接点復活材でも解決しないこともあります。ボタンやホイールの誤動作を直すのに一番確実なのは、その部品を取り替えてしまうことです。

まずは電池を取り外し、2カ所のネジを外します。
ケースを開けたら、基板にあるもうひとつのネジを外し、基板の裏側にあるコネクターを取り外します。
まずはホイールの修理を試みてみましょう。基板の裏側、ホイールそばにあるハンダ付けされた5カ所がエンコーダーの接着部分なので、ホイールを取り外してから、半田ごてと半田吸い取り器(エンジニア社製のSS-02はいいぞ!)を使って取り除きます。
ホイールを交換するために必要な部品はマウスエンコーダ(ロータリーエンコーダー)の高さ5mmのモデルです。
これを取り付けて(反対から差し込んでしまわないように!)、ハンダ付けしてきちんと水平に固定すれば、ホイールの修理は完了です。

次にスイッチの交換方法です。この機械で使われているボタンは3×3×2mmの表面実装(SMD)用タクトスイッチです。私が購入した黒いボタンは、機器に元から付けられている白いボタンよりも少し押しが硬かったのですが、ネットで個人でも買えるという条件を考慮すると、ここは妥協点だとは思います。

これらのスイッチはわずかなハンダだけで固定されていて、吸い取り器での吸引は難しいので、ハンダ吸い取り線を使って、ハンダをある程度除去してから、ピンセットを使ってスイッチを引っ剝がしました。
金属板とスイッチの端子の位置が合っていれば、向きはどちら向きでも構いませんので、同じくハンダを流し込んで接着させます。任意の1カ所目を固定したら、対角線上の箇所を接着するようにすると、上手く固定できるでしょう。
交換が終わったら、コネクターをつなげ直し、基板をケースにネジ止めし、ケース自体をネジ止めして元に戻せば修理完了です。Tabmateはアプリユーザーのための優待価格でも5000円近くするので、修理する環境が整っている人は、捨ててしまう前に一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
2023/05/31