WiiリモコンでCLIP STUDIO TABMATEもどきを自作する(ハード編)

大きなペンタブレットを使おうとすると、フルサイズのキーボードの場所が確保できなくなるのもの。そこで便利なのが、片手デバイスです。代表的なアイテムとして

多くのキーを使える片手ゲーミングキーボードとか


ホイールがついてキャンバスの拡大がやりやすい、ペンタブレット片手キーボードとか


CLIP STUDIOに特化した(とはいえ、ソフトウェアも付属している)ハンドコントローラー(TABMATE)とか……


とくにCLIP STUDIO TABMATEは多ボタンなのにコンパクトなので人気が高いですが、ほぼ専用のコントローラーなのでClip Studio以外にはまず使えません。と、いうわけで「KritaやSAIでも片手スティックで操作したい!」を低コストで実現してみました。

用意するものはWiiリモコン。中古なら1000円でおつりがくる値段です。主に操作で使うのはヌンチャクだけですが、リモコンは送信機となるので両方必要です。
予算に余裕があれば、VRコントローラーという手もあります。重要なのはこれらのデバイスがパソコンからはゲームコントローラーとして認識するかどうかです。
ではWiiリモコンをペアリングしてみましょう。Wiiリモコン本体はBluetoothで通信するため、市販のUSBドングルが使えますが、Windows 10では不要なPINの入力が要求されて、ペアリングを勧めることができません。そこで、こちらのサイトで配布されているBtConというアプリ(ページ上部にあるbtcon_dqxなどは、特定のキーバインドが設定済みのバージョンなので注意)を使って、自動接続を試みます。アプリを起動したら、Wiiリモコンの「1,2」ボタンを同時に押してペアリングを始めましょう。

続いてはボタンの割り当てです。ゲームパッドをキーボードに変換するアプリとしては「JoyToKey」が有名ですが、Wiiリモコンには対応していないため、Wiiコントローラーコンバーターアプリでゲームパッドのデータに変換してからキーボードに変換するという手間が必要です。そこで今回はPIE(Programmable Input Emulator)というツールを使ってコンバーターを自作してみました。

一昔前まではGlovePIEというアプリがよく用いられていたのですが、開発者のサイトが失われており、バージョンアップは望めません(アーカイブを回収したものはGitHubに存在する)。

それに取って代わっているのがFreePIEというツールです。こちらはGitHubでオープンソースプロジェクトとして公開されています。次回では、こちらによる基本的な使い方や、プログラミング方法を紹介します。
2020/04/09