トナー転写方式電子回路基板自作のまとめ(KiCad:基板レイアウト編)

How to make an original electric board(KiCad:Layout)
前回で作成した回路図を元に基板をデザインしましょう。

まずは回路図からリストを作成します。ツールバーより「ネットリスト」をクリックしてリストファイルを出力します。
メインウィンドウに戻ったら「基板レイアウトエディター(pcbnew)」を起動し、先ほど保存したネットリストファイルを読み込みます。
パーツが一度に配置されます。
パーツの位置を調整します。「R」「Shift+R」キーで選択中のパーツを回転します。
ホールの間隔を広くしたい場合は「フットプリントを変更」より、同じタイプのピッチ(間隔)の広いパーツを選びます。
互換品などを使っているなどで、データシート上とのピンの配置が違う場合は「フットプリントエディター(Ctrl+E)」でピン配列を変えることもできます。
理想のピン配列ができなければ、全く種類の違うパーツを代用する手法もあります。例えば、この例ではICの代わりにICピンを、USBコネクターの代わりに汎用ピンを用いています。
パーツのピン同士を結線します。レイヤーで「B.Cu(F.Cu)」を選択し、「配線」アイコンを選択してホール同士を結びます。配置済みの線上で「D」キーを押すと、45度の傾きを維持したまま線を変更できます。自由に変更したい場合は代わりに「G」キーを押します。
まだ配線していないピン間では白く細い線が表示されているので、これがすべてなくなり、デバッグ(デザインルールチェックを実行)で警告が表示されないように作業を繰り返します。
この例ではすべて手作業でつなぎましたが、こういった制約がないのであれば、自動配線ツールを利用するとよいでしょう。以下は配線ツールを使った例です。

  1. Javaランタイムを導入した上で、FreeRoutingを入手する。
  2. Pcbnewメニューの「エクスポート」より「Specctra SDNファイル(*.dsn)」形式でファイルを生成する。
  3. FreeRoutingの実行ファイルを開き、dsnファイルを読み込む。
  4. 片面だけ配線したいのであれば、「Parameter→Autoruter」の設定より「F.Cu/B.Cu」のいずれかのチェックを外す。
  5. パーツ同士の間隔を開ける、Edge.Cutsの枠を広げるなど、スペースに余裕を持たせるのが計算をより早く終わらせるコツです。
  6. ツールバーの「Autorouter」ボタンを押すと自動配線が実行されます。
  7. メニューの「Export Specctra Session File」でsesファイルを生成したら、Pcbnewにもどり、「インポート→Specttraセッション」で変更後のデータを取り込みます。

最後に枠を生成します。レイヤーより「Edge.Cuts」を選択して、「図形ライン(※図形ポリゴンではありません)を追加」を選択し、レイアウトを囲みます。この枠が、業者に発注したときに製作される基板の大きさになります。
2018/09/13