レンタルサーバーをオンラインストレージ代わりにする
インターネットではファイルをクラウドに保存するオンラインストレージサービスがいくつもありますが、無料プランだと数GBしか保存できません。もしあなたがウェブサイト運営のためレンタルサーバーを契約しているのなら、その空きスペースをクラウドストレージとして利用するのはいかがでしょうか。
NextCloudは自前のサーバーにオンラインストレージ環境を構築するオープンソースプロジェクトで、PHP 7.4があれば稼働させることができます。ファイルの管理にはデータベースサーバーを使っているため、MySQL 8.0以降が推奨環境ですが、MySQL 5でも動作するようです。
NextCloudのダウンロードサイトから「Web Installer」を選択し、「setup-nextcloud.php」をダウンロードしたら、サーバーの任意のフォルダ内へアップロードします。
個人用途であれば、SQLiteをデータベースサーバーとして使うこともできます(PDOを用いているため、「could not find driver」エラーが発生するのであれば、サーバーでの設定が必要)。SQLiteを使用するなら、「setup-nextcloud.php」を保存したディレクトリに「config」ディレクトリを作成し、以下のコードを記入したテキストを「autoconfig.php」としてconfigディレクトリ内に保存します。
<?php
$AUTOCONFIG = [
"dbtype" => "sqlite",
"dbname" => "nextcloud",
"dbtableprefix" => "",
];
ブラウザでsetup-nextcloud.phpのウェブサイトを呼び出します。
次の画面でインストール先のディレクトリを指定します。特に変更しないのであれば「.」を入力します。
150MB近いデータがダウンロードされるため、しばらく待ちます。
最後にデータベースの作成とログインを行います。一番上のユーザー名とパスワードはNextCloudにアクセスするための新規アカウントを、「ストレージとデータベース」にはレンタルサーバーが指定するデータベースアカウントを入力します(SQLiteを指定した場合は表示されない)。NextCloud関連データはデータベース内では「oc_**」テーブルに格納されます。
ホーム画面が表示されたら、セットアップは完了です。
ブラウザ以外にも、公式が提供しているモバイルアプリを使うことで、オンラインストレージへのアクセスが簡単に行えます。
ブラウザの設定から「セキュリティ→デバイスとセッション」の記入欄に任意の端末名を入力して「新しいアプリパスワードを作成」を行えば、ここで表示されるQRコード経由で、サーバーアドレスを記入する手間を省くこともできます。
2021/01/22