Clip Studioの人型入力デバイス「QUMARION」を5000円程度で再現する
セルシスの開発した「QUMARION」は、その人形に内蔵されたセンサーで関節の動きを数値化し、Clip Studio Paintの3Dモデルをはじめとした、様々な3Dグラフィックソフトの人型モデルの動きとして適用できるアイテムです。現在では販売・開発ともに終了してしまいましたが、TNKソフトウェア謹製のアプリ「
ポーズコンバーター for Clip Studio 」とモーションキャプチャーソフトを活用して、このQUMARIONのように人形からポーズを取り込むための手法を考案してみました。
こちらはQUMARIONの代わりとなる人形の例です。基本的に手足と顔のある関節が動くフィギュアであれば、何でもいけます。
人形のポーズをキャプチャには株式会社デジタルスタンダードの「
ThreeDPoseTracker 」を使います。動画よりモーションキャプチャーするためのツールやサービスはいくつかありますが、録画時間に制限がない、オフラインで動くので被写体の情報が守れる、認識精度が高いと利便性に優れています。
スマートフォンで撮影した動画を使用することもできますが、それなりの処理速度を持つグラフィックカードとウェブカメラがあれば、モーションを確認しながら撮影でき、かつ、動画を編集する手間も省けます。ウェブカメラは640x480位の解像度で撮影できる安価なモデルでかまいません。この記事では
エレコムのオートフォーカス機能付きの200万画素モデル を使用しています。
ThreeDPoseTrackerは2次元の情報のみでポーズを推定するため、ボディちゃんのような単一色なフィギュアだと、正面を向かなかったり、間違った位置で交差するなど、精度が極端に低下します。
これらのフィギュアで認識精度を上げるには、顔、腕、脚に色を付けて塗り分けることで、カメラに個々の部位を識別させやすくさせます。腕と脚は左右で違う色にすると、手足を交差したポーズの精度も上がります。
アプリを起動したら、「Source」の項目より接続しているウェブカメラを選択し、中央上の「START」ボタンを押し、モーションキャプチャーを開始します。ウィンドウ内の「Source Image」にカメラの映像が映し出されたら、緑色のシルエットに合わせるようにフィギュアを映します。背景はなるべく白一色にし、撮影者の姿が映り込まないように、フィギュアは細い針金でくくって吊るすとよいでしょう。撮影中はモデルをくるくると回すことで、多方向からのキャプチャーを行います。
こちらは各フィギュアの撮影例です。どのタイプでも高い精度で撮影できているのが確認できると思います。
30 minuites sisters
仮面ライダーフィギュア
手作り針金人形
画面の3Dモデルが反応しているのを確認したら、ウィンドウ右上の「Export」をひらき、「Start Recording」ボタンを押してデータ出力を始めます。
データはBVH形式として書き出し、これを「
ポーズコンバーター for Clip Studio 」で読み込み、フレームを移動して、一番理想に近いポーズと取っているフレームを参照し、Clip Studio形式で出力すれば完成です。
ポーズコンバーターのアプリ紹介ページでは、
マイクロソフトのモーションカメラ「Kinect」を使って、自分自身をモデルにしたポーズを作成する方法 も紹介しています。
2024/04/27