TRRSケーブルを自作するコツ
Makes your original TRRS cables
分割キーボード同士を接続するするためのケーブルには、よくTRRSケーブルが用いられています。Amazonで「
TRRSケーブル 4極」で検索すれば既製品が簡単に見つかりますが、長さや見た目などにこだわると、結局はケーブルも自作することに落ち着きます。
そこで今回は自作キーボードでよく採用されているファームウェア・QMKの設計から見た、ケーブルを自作するためのコツをまとめました。
- 市販のステレオオーディオケーブルがそのまま使えるケースが多い
QMKでは、キーボード間通信の手法として、独自の通信プログラムによる単線シリアル通信と、I2Cによる2線シリアル通信を使用できます。
このうち、単線シリアル通信なら、電源、GND、通信の3本しか使用していません。つまり、キーボードの基板が4極目のピンを使っているなどの特殊な配線をしていない限りは、100円均一で売っているステレオオーディオケーブルがそのまま使えます。
Helixは単線シリアル通信なので、ステレオオーディオケーブルを接続しても動作します。Helix以外のキーボードキットが3線仕様かどうかは、基本的にファームウェアのソースコードに「#define USE_I2C」の記述があるかどうで判別できます。もし「USE_I2C」の記述があれば、通信にI2C信号を用いていることになるため、そのキーボードにおいては、4極ケーブルが必須です。
- 4極仕様ならUSBケーブルを転用してみる
オーディオケーブルだろうが、USBケーブルだろうが、しょせんは銅線のより集めです。シリコンハウス共立で売っている「φ3.5mm 4極プラグL型:MP-435LN(※秋月電子ではL字型は取り扱っておらず)」の相互の端子さえ一致させれば、通信に対応したUSBケーブルを切断して、はんだ付けすることで、オリジナルのTRRSケーブルが作れます。Micro USBケーブルなど、5本の線が入っているケーブルなら、任意の一本を取り除くなどで絶縁しましょう。
ちなみに、QMKのドキュメントには、「分割キーボード間の接続にはUSBケーブルを使うこともできるが、ほかのUSB端子と間違って接続して、これが故障の原因となることもあるため、積極的に採用すべきではない」とされています。
- ステレオイヤホンからケーブルを作ってみる
100円均一にいけば、カラフルなケーブルのイヤホンが売っているので、このケーブルを拝借してみましょう。イヤホンのケーブルは、細くするために個々の線がチューブでは包まれておらず、代わりにビニルやナイロンといった絶縁材が直接コーティングされています。
このコーティングは、ライターの火であぶることで簡単に剥がすことができます。それぞれの線をあぶると炭化して黒くなるので、それらを紙やすりを使って削り落せば、光沢のある線が出てきます。
あとは、これをステレオプラグ端子にはんだ付けすれば完成です。
2020/12/03