KinectをつかってClip Studio Paintへポーズを取り込んでみよう
マイクロソフトが家庭用ゲーム機「Xbox 360」の周辺機器として発売したモーションセンサー「Kinect」を使った、ポーズを取り込むための方法を紹介します。
  1. Kinect for Xbox 360の入手
    Kinect for Xbox 360は中古品がフリマサイトなどで2000円~3000円の間で取引されています。パソコンにつなげるにはKinect専用アダプターが必要となりますが、こちらはAmazonにて互換品が1500円ほどで販売されています。間違って欧州仕様のコンセントプラグ(先端が棒状になっている)を購入しないようにしましょう。
  2. メモリ整合性を無効にする
    KinectドライバーはWindows 7向けに提供されていたもののため、Windows 11では互換性のない機器として動作がブロックされます。この問題はシステム設定より「デバイスセキュリティ→コア分離→メモリ整合性」をオフにすることで解決します。
    ただし、OSの堅牢性が低下する側面もあるため、セキュリティが気になるのであれば、重要なデータが保存されていないサブのパソコンなどで導入するとよいでしょう。VMWareなどの仮想環境では動作しないようです。
  3. ドライバーのインストール
    Kinectドライバーが収録されたSDK(開発キット)をダウンロードし、インストールします。続いてKinectとACアダプターを接続し、アダプターのUSB端子をパソコンに接続したら、デバイスマネージャーで一連のドライバーが有効になっているかを確認してください。
    正常に認識されていなければ、今一度「メモリ整合性」が有効になっていないかチェックしてみましょう。
  4. MikuMikuCaptureのインストール
    MikuMikuDanceのモーションキャプチャーに特化したMikuMikuCaptureを用意します。現在は開発者のサイトが閉鎖されているため、代替としてTNKソフトウェアのサーバーより直接提供していますが、再配布の規約に基づき、TNKソフトウェアとしてはプログラムの内容には一切関与しておらず、予期せぬ不具合や事故には対応できませんので、自己責任にてご利用ください。
  5. モーションを取り込む
    アプリを起動したら、はじめにPMD形式の3Dモデルをインポートします。
    一番手っ取り早いのは、MikuMikuDance(DirectX9 Ver)の「UserFile/Model」に収録されている、「初音ミク.pmd」を読み込む方法です。

    画面に3Dモデルが表示されたら、「Capture→Kinect」のパネルより「Connect with Kinect」を選択して、Kinectを待機状態にします。
    Kinect本体から2~3m離れた位置で垂直に立ち、画面左上の赤いメッセージが消えて、モデルが自身の動きに追従するようになれば準備完了です。 ウィンドウ上部のメニューより「Capture→Start Recording」を選択して、モーションキャプチャーを開始します。終了するときは「Capture→Stop Recording」を選びます。

    録画が終わったら、上部メニューより「File→Save Capture Motion(F11)」を選んで、BVH形式として出力してください。その他のオプションの変更は特に不要です。
  6. Clip Studio形式に変換する
    BVHファイルが保存されたら、あとはポーズコンバーター for ClipStudioを使ってClip Studio Paintポーズ形式に変換するだけです。 インポートオプションでは「A-Pose」を選択してください。