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シェアウェアを買う人がいるワケ

 シェアウェアは、お店に売っているソフトウェア(パッケージソフトと呼称されます)と比べ、物流コストがかからず、かつ、数多く配布できるので、運営資金があまり豊富でない個人や、開発者と代表取締役が同一人物であるような会社がこの形態をとっているケースがほとんどです。オンラインソフト黎明期では数万円もするパッケージソフトと同機能のソフトウェアが10分の1以下という低料金で購入できるというメリットもあったのですが、最近ではパッケージソフトを2000円台で店頭に売り出す企業が出てきたため、低料金というメリットは薄れつつあります。しかし、それでも個人が開発したシェアウェアでも今もなお売れ続けています。シェアウェアを買う利点とはいったいどこにあるのでしょうか?


 2000円ソフトを販売する会社は、そのソフトウェアを自社内で開発することはあまりありません。他の会社に委託したものや権利を買い取ったもの、他の会社が開発したバージョンが古くなった(型落ちになった)パッケージソフトを再包装して出荷したものがほとんどです。外注によってコストを押さえ、低価格で販売するという方式は、ソフトウェアを衣料品に例えれば、中国で大量生産したものを日本で売ることでコストを下げることに成功した、ユニクロにあてはめることができるでしょう。

 いっぽう、アドビシステムズやマイクロソフトなどが販売する数万、ときには数十万円するソフトは、エルメスやグッチのような高級ブランドと考えることができます。決して安いとはいえない使用対価として、他のブランドにはない品質、機能性、そして信頼を提供しているのです。


 ユニクロソフトは、良心的な値段で、機能性も値段に比べればはるかに満足いくものです。が、逆に大量生産のため画一的にならざるを得ず応用性には乏しく、それ以上のことは望めません(みんなが着ているため、確かに無難ではありますが)。一方、エルメスソフトは、すばらしいまでの機能と品質をもたらしてくれますが、着る人を選びます。高級ブランドに身を包んだ日本人が、数百万もするブランドバッグを持ち歩くものなら、「ブランドまみれになるほど金があるのなら、カバンくらい従卒に持たせろよ」とヨーロッパ人の笑い種です。身分不相応の高価なソフトを購入しても、使いもしない機能だらけで宝の持ち腐れになってしまうことになりかねません。

 これらに対し、シェアウェアは個人デザイナ(=開発者)が街(=インターネット)の一角に店を構えて販売するオリジナルブランドといえるでしょう。たいていのシェアウェアは、個人ブランドと同じように、「シェアウェアで大儲けしたい」という感覚よりむしろ、「今までに無かったものを世に送り出したい」が動機となって制作されています。ですから、流通費や宣伝費用を回収するために、幅広い層に売りさばかなくてはならないパッケージソフトにくらべ、パッケージソフトが真似できないくらいにピンポイントの機能に非常に特化したものや、個性の強いシェアウェアが生まれてくるのです。また、ユーザーの要望が反映されやすいのも一つの特徴で、これも、常に流行(利用者の要望)を感じ取ってデザインに反映させるデザイナーの活動に近いものがあるでしょう。


 オリジナルブランドの衣料品を求める人は「みんなが着ている」「安心できる」ことよりも、「自分のファッション感覚にこれでもかというくらい一致している」「ありたきりではない、個性ある着こなしができる」ことを重視します。安価なパッケージソフトがちまたにあふれかえっているにもかかわらず、今もなおシェアウェアを購入してくれる人がいるのは、「みんなと同じソフトじゃ満足できない」「自分にぴったりのソフトウェアがほしい」という考えを持っていてくれているからかも知れませんね。個人的主観が入っているので、一概にはいえないかも知れませんが(^^;。


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